2010年04月29日 栃木県営球場

真岡vs文星芸大付

2010年春の大会 栃木県大会 2回戦

真岡が昨秋覇者の文星芸大付を破り6年ぶりのベスト8

13連敗――。
近年の栃木県勢の関東大会での成績だ。
2006年秋に佐野日大が準優勝して以来、春秋ともにすべての出場校が初戦敗退。惨憺たる状況だ。
「栃木はレベルが低い」
そういう声は関係者の耳に届いていないわけはないはず。
だが、この試合を見る限り、低迷打破は遠いといわざるをえない。
理由はただひとつ。
リーダーとなるべき上位校が走らないからだ。


文星芸大付は昨秋の優勝校。08年の秋も制し、2年連続秋の県チャンピオンになっている。
06、07年は夏の甲子園にも2年連続出場。旧校名の宇都宮学園時代から栃木では屈指の強豪校だ。
ところが、このチームが走らない。
この試合、一塁までの駆け抜けで5秒以上を記録したのが3人もいた。

4番・芹澤 5秒71(ショートゴロトンネルの打球)
5番・神永 6秒23(投手ゴロ)
7番・中山 5秒03(捕手前送りバント)
この他の選手も走らない。
1番・見目 4秒82(ショートゴロ)
3番・福田 4秒77(サードゴロ)
6番・小森 4秒79(セカンドゴロ)
8番・大出 4秒78(ファーストゴロ)
9番・田中 4秒89(ショートゴロ)

2番の鈴木薫が3秒99(セカンドゴロ)、4秒08(セカンドゴロ)、4秒10(セカンド内野安打)と全力疾走を見せた以外、全てのスタメン出場した選手が4秒75以上を記録した。一塁まで6秒台など、走っているとはいえない。ここまで走らないチームは見たことがないといっても過言ではない。


この試合で大きく響いたのは捕手・福田の悪送球だった。
7回1死三塁から相手のスクイズのサイン不徹底を突いて三塁走者を挟殺プレーに持ち込んだまではよかったが、サードへ悪送球。「アウトにできそうで力んだ」と本人はふりかえったが、そうなる原因を自ら作っていた。福田は初回、ショート内野安打の際は一塁へ全力疾走に加えてヘッドスライディングで4秒39のタイムを記録している。それが、明らかな凡打だと走らない。常に全力でプレーしていないから、ここというときにミスが出るのだ。
このプレーのあと、サードの見目も一塁へ悪送球。ミスの連鎖が同点に追いつかれる要因となった。
ちなみに、福田は8回にも同様にバントの構えで飛び出した三塁走者を挟みながら殺せずに生かしている。
「アウトにできるところでアウトにできなかった」と悔やんだが、後の祭りだった。

試合後、星野監督は「今日は守備ですよ。あれじゃあ投手がかわいそう」とくりかえしたが、敗因は決してそれだけではない。むしろ、それ以前の問題だといえる。
星野監督に「全然走りませんね」とふると「走らないとダメですね。注意しないとダメですね」という答えが返ってきたが、本気で言っているようには聞こえなかった。

県内を引っ張っていくべき存在がこれでは、レベルが上がらないのもしかたがない。
今のままでは、県外で好成績を望むのは不可能。
文星芸大付に限らず、栃木の上位校は走らない。
もっと上を目指し、自覚を持ってプレーしてほしい。

(文=田尻 賢誉)


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